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へんなひとインタビューVol.3 蒔田友之というひと

  • 執筆者の写真: Minori Sunada
    Minori Sunada
  • 2015年2月1日
  • 読了時間: 6分

蒔田 友之  Tomoyuki Maita

コンフィチュール専門店ChezMomo、MomoCafe 店主

フランス×松本×多肉植物

へんだと思うかもしれないけど、ただこだわりが強いほうなの の巻

東京にも行った。フランスにも行った。地元・松本にお店を構えて5年目。

ジャムが好きで、フランスが好き。

だからジャムのこと、フランス語で呼ぶんだ! コンフィチュール。

女鳥羽川のほとりにたたずむ小さなお店。

そんなに沢山のひとは座れない、華奢なカウンターで、自慢のスコーンとコンフィチュールをコーヒーとともにいただいた。

目の前でコーヒー豆を挽く蒔田さん。

何に対してもこだわりのつよい独自の蒔田ワールドは、会話の端々からちらちらと顔を覗かせます。

アンティークではなく古道具

ー可愛らしいコーヒーミルですね。ずいぶん古そうですけど、アンティークですか?

蒔田:いや、アンティークというほどのものではないですけど、まぁ、それなりに古いですね。新しくはないけど、どちらかといえば古いですね。古道具ですね。

ーまわりくどい!

蒔田:そうなんです。ぼく、理屈っぽいってよく言われるんですよ。

ーいつもおなじみの青いユニフォームですね。こだわりがあるのですか?

蒔田:いえ。いつもは白いです。青の方がレアカラーですよ。こだわりはありませんが、フランスのひとが着ていた丈の長いワークジャケットがかっこ良かったので、制服と言うか、作業着として着ています。

コンフィチュールとの出会い

ー蒔田さん、お店をオープンして何年目になるんですか?

蒔田:今月2月15日で5年目になります。お店を出す前は東京にいました。

ー東京では何をしていたんですか?

蒔田:製菓学校を出てたものだから、お菓子屋さんで働いたりね。2001年、ちょうどお菓子屋を辞めたタイミングで、たまたまフランスの美味しいジャムを人にもらって食べたんですよ。その時の印象が強くて、ジャムに惹かれるようになりました。

ーどんな感じだったんですか?

蒔田:フレッシュ! それまではジャムって、何かに付けて食べるものだって思ってたからね。このまんまでも食べれるじゃん! って。

当時は日本にジャムの種類ってそんなになかったですし。

そこで、これはまじめにやればおもしろいのではないか、と。

こんなに美味しいジャムを作る国はどんな国なんだろうと思って、フランス旅行に出かけました。その後、あらためて渡仏して、現地で4か月過ごしました。

ー現地でもジャムを作っていたんですね

蒔田:そうですね。4か月、ひたすらだらだらとしながら、それでもジャムを作って暮らしていました。小さな村でして。

村人の家の木に生えている果物を見て「あなたのとこの果物でジャムを作らせてもらえませんか、あなたのとこのキッチンで」なんて言って作っていました。

向こうでは、ほんとに果物が、なんていうか「近め」でした。それが、日本とフランスの大きな違いかな。

ー「近め」というと?

蒔田:日本だと、電車の中でおやつにリンゴかじってるひとなんていないじゃないですか。あっちのひとは、あたりまえのように紙袋に入れたフルーツを持ち歩くんです。日本の果物は、たしかにレベルが高いし、おいしいけれど、少し偏ってる。

贈答品にするような高い果物って、一般市民とは距離が遠いじゃないですか。

向こうでは、たとえばひょう害にあって見た目が悪いから商品にはならない、なんてことはないんです。そのままでも食べるし、料理にも果物をよく使う。身近な存在ですね。

ー日本人の果物離れが進んでるとか

蒔田:どうして?

ー皮を剥くのがめんどくさいひとが多いんですって

蒔田:かじればいいじゃないか!

松本を選んだ理由

ー東京生活の中で渡仏も経験して、松本に帰ってきたのはなぜ?

蒔田:2005年くらいから、お店をやろうとは思ってた。やるなら地元の松本かなぁ、と。当時、ジャム屋って少なかったから自信がなかったんですよ。やり方も分からないし。ほんとうはフランスで働きたいお菓子屋さんがあったんだけど、雇ってもらえなかったから、やけっぱちになって「自分でやる!」と決めたところもありました。

ージャムとの出会いが2001年。お店をやろうと思い始めたのが2005年。お店のオープンが2010年ですから、ジャムへの思いはずいぶん長いこと燃えていたんですね

蒔田:燃えてるってほどじゃないですよ。僕はただ、ジャムが定番になってくれればいいと思ってる。ジャムがメインストリームになって世の中を席巻するような、派手なことは望んでません。ジャムを作って行ける環境があれば、僕は幸せです。

あくまで、職人というジャンルのひととしてあり続けたいです。

ChezMomoという空間

ーお店のインテリアがとっても可愛らしいですが、蒔田イズムなんですか?

蒔田:いえ。これは、モモイズムです。僕の中に、モモっていうフランスの女の子が住んでるんですけど、ここはモモの好きなものを集めた、モモの世界観なんです。ChezMomo(シェモモ)というのも、フランス語で「モモの家」って意味なんです。

ーたくさん置いてある多肉植物は?

蒔田:僕が好きなんです。むちむちプリプリ連なってるところを見ると、なんだかかわいくって。

ー最後に、最近興味のあることは何ですか?

蒔田:たくさんあります。世界情勢に、カメラに、子育てに…。音楽だと、UFOが登場する時みたいな、電子音っぽいのがすごく気になってる。作ったひと、どんなひとなんだろうってすごく気になってる。

松本アイスから蒔田友之さんへ

好きなものは好き。すてきなものが好き。

蒔田さんがすてきだと思うものを、蒔田さんは迷いなく発信していく。

だからどうしても、趣味が増えてしまう。

音楽イベントなどを開くのも、その信条からきてるのだそうです。

すごくへんなくせに、思いやりと人への敬意を常にたいせつにする蒔田さん。

インタビュー中、松本アイスが書きとめられなかったフレーズを、一語一句たがえないよう、たどたどしく復唱してくれました。ご自身も宙を見て、思い出しながら繰り返すようすに、やさしさと同時におかしさを感じました。

一貫してかわらないまっすぐな情熱のかたわらで、好奇心は宇宙みたいに膨張して、まっすぐに突き抜けていく。

だけどちょっぴり理屈やで、情熱をまる出しにするのはカッコ悪い。

へんなひとは、へんかしていくひと。なのかもしれません。

多肉植物みたいに多彩で、掴みどころのない蒔田さん。

松本アイスはこれからも、蒔田友之さんのへんな松本暮らしを、見つめつづけていきたいと思います。

たたずまい.jpg

                        女鳥羽川のほとり  

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                         モモが住んでる

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                 フレッシュなコンフィチュールたち

 
 
 

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